価格設定の計算式徹底解説。その価格、本当に利益が出てる?
商売を始めるときに価格設定を行うのは避けて通れませんね。
ですが、計算式が原価の0.7で割ればいい、Saasの場合は……など色々なものがあり、実際に適正価格はいくらなのかわからない。という場合が多いと思います。
また、競合が安くしたから自社も安くするべきなのか……などの問題も解決しなければなりません。
適切な価格設定の計算式を覚えて、それらを解決しましょう。
価格設定の通説
まず、通説として、いくつか価格設定の方法があるのでご紹介します。
原価がかかる商品の価格設定
一般的に、原価がかかる商品の価格設定は『原価/0.7』だと言われています。
「製造原価」や「仕入れ原価」からの逆算により、固定費を超えた利益の範囲を想定する計算方法です。
しかしながら、この計算方法で純利益が出ないことがあり、しばしば問題視されます。
その点は後ほど説明します。
製造・仕入れ原価がかからない場合
IT業界によくある、ソフトウェアのダウンロード販売などの、一度作ってしまったら原価のかからない商品がこの対象になりやすいですね。
また、代々からの温泉のお湯を売る等、特殊なケースもこちらに想定されるでしょう。
この場合は「原価」に当たる点を、人件費等で計算します。
まず前提に、1商品あたりの計算で、販売見込みから逆算して考えます。
原価に当たる点が、制作に伴う人件費や、先にかかる事務所や設備の固定費として考えるのが良いでしょう。
また、販促費も計算しておくことも多々あります。こちらは、会社等によって売上から差し引きで計算される場合も多いので、他の計算式と当てはまらない場合があります。その場合は利益の中に補填して考える形となります。
また、バッファーですが、こちらはリスクヘッジを行う場合ですので、見込みが確定見込みであれば不要です。
想定見込みの場合は、リスクを減らすために10~30%ほど取ることが多いようです。
Saasの場合の価格設定
Saasの場合も、製造・仕入れ原価がかからない場合の価格設定と似てきます。
少し計算が複雑になるので、簡略化しますが、基本的には「回収期間」と「利益想定」となります。
その際に必要な費用投資額はいくらなのか、また会社の体力としてどれぐらいの期間耐えれるかの投資額等も事前に出す必要が出てきます。
また、簡略化した図で書いたものは1契約あたりの回収見込みを出すためのものです。
毎月契約件数を増加することを想定に入れる場合は、係数がさらに増え、直線状の売上見込が複雑化します。
利益を出す価格設定の計算方法
さて、上記の前提を踏まえた上でここからが仕事の上では本題です。
通常の計算方法は上記を参考にしてもらえればSaasの価格以外は簡単に出せると思います。
上記でも少し触れましたが、Saasモデルはあまりにも複雑化するため別の記事で掲載予定です。しばらくお待ち下さい。
※掲載後リンク等をこの記事に記載予定です。
原価と人件費・固定費を加味した計算方法
人件費を加味する場合、固定費に計算として入れます。
この図に合わせて原価をデザインすることで、今後の収益計算の際にMQの会計と言われる手法で計算ができるようになります。
※MQ会計に関してはまた別記事でまとめる予定です
費用対効果を考える際に、0.7の計算を行うとこれで利益が出ない場合があります。
その際は、事業参入前であればもう少し練り直す必要があるでしょう。
事業参入後であれば、小売価格の見直しや、商品の原価や固定費をどう下げるかを考える必要があります。
超愚策。競合他社との低価格設定の競り合い
サービス開始初期から携わっている人はわかりやすいと思いますが、原価を下げることは容易ではありません。
原価の頭打ちがあるため競合他社との競り合いは、他社の原価が安い場合負けて市場として収益が見込みづらくなります。
他社が価格を下げて、顧客の機会損失をする場合は多少下げる必要がありますが、そうでない場合は無理に最安値などの設定をしないほうが、売上見込みが狂いづらいです。
また、費用対効果を計算していくと、ある一定の金額を切ると「トラブルの発生」がしやすくなると言われています。
マーケティング用語で「ゾーニング」と言われる、商品軍ごとに区別する、といった考え方をすると良いですね。
多くのトラブルが発生するのは、原価割れをしている場合がほとんどで、安い単価で出す場合のリスクも忘れないようにしておきましょう。
金額を計算するときに「お客さんのためだから」と言って、下げすぎない価格設定を選ぶことが商品価格決定のカギとなるでしょう。